なーーーーんと、
ふらふらと描いたアイコンにSSいただきましたーーー♪
開き直って描くのも大事ですね。
美鈴様より
いただいたものです。
☆ ☆ ☆
きみと初めて見たクリスマスツリーは、
今年も、あの日と同じように光のオーナメントで飾られている。
『どこで待ち合わせますか?』
そう聞いたとき、きみは迷わず、この場所を選んだ。
車で移動していると気づきにくいが、
実はゆるやかな坂の上にあるこの店のオープンテラスからは、
少しずつ近づいてくるきみの姿がよく見える。
今年も街路樹には光の星々が宿り、街中を照らしている。
きらびやかに飾り立てられたショーウインドー。
きみはときどき足を止めて、さっきからやけに熱心に覗き込んでいる。
……そんなにあちこちに、姫の気を引くものがあるのでしょうか?
プレゼントはいらない、と、きみが言ったから、
では、きみの好きなものを一緒に選びに行きましょう、と返した。
やはり、あれはきみの強がり。
さてさて、姫の心を射止めたのは、どんなものなのでしょうか。
通りひとつを隔てただけのところまで来て、
きみはまたショーウィンドーに向き合った。
おやおや、私よりも、プレゼントのほうが気になるのですか?
少し、妬けてしまいますね……
そこで、気がついた。
ひんやりとした空気が頬をかすめるような風が吹くたび、
きみは、ショーウィンドーに姿を映して、髪に手をあてる。
「……ふふっ」
さては、髪型を少し変えましたね?
少しくらい乱れても、とても可愛いのに。
ああ、でも、気がついてよかったです。
きみが私を見つけて駆けてきたら、一番に言ってあげましょう。
“なんだか今日は、とても可愛いですね。
明日は、もっと可愛いのかな”
きみはきっと頬を染めるはず。
『プレゼントはいりません……ただ、ただ、
……サンタさんが、欲しいの』
うつむいて、消え入りそうな声で小さくつぶやいたきみ。
今宵、卒業したきみと初めて過ごすクリスマス・イブ。
少しだけ大人になったきみのために、
プレゼントも、夜景も、願いはすべて叶えてあげましょう。
だから、ほら……早く、こっちにおいで。
☆ ☆ ☆
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